平将門を祀る江戸の古社

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築土神社/平将門を祀る江戸の古社         【English】

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          世継稲荷(田安稲荷)  YOTSUGI-INARI

御祭神

倉稲魂神(ウガノミタマノカミ)

例祭日

春祭 四月十一日
秋祭 十月十一日

鎮座地

築土神社敷地内


江戸時代の九段坂(葛飾北斎筆)

(1)世継(よつぎ)稲荷は1441年(嘉吉元年)、飯田町(現 ・九段坂〜中坂付近)に創建。当時この辺一帯を田安郷と云ったことから、田安(たやす)稲荷と称された。その後1590年(天正18年)徳川家康江戸入城の折、二代将軍徳川秀忠この地を巡覧し途中当社を参詣。当社に橙(ダイダイ)の木があるのを見て、これが「代々」と同音であったことから「代々世を継ぎ栄える宮」と称賛し、以来、世継稲荷と云われるようになった。

ちなみに世継稲荷の縁起では、秀忠がこの地を巡覧した時、十七軒ほどあった民家の村人がみんな畑仕事に出ていて、飯田喜兵衛なる者のみ残っておりこの辺を案内したので、秀忠はこの地を「飯田町」と名付けたとされるが、この地を巡覧し「飯田町」と名付けたのは、秀忠ではなく家康であったとの説も有力である(麹町区役所 『麹町区史』等参照)。

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(2)江戸時代に入ると飯田町には武家屋敷が連なり、世継稲荷も当時は幕臣 ・松平主計頭近鎮(まつだいらかずえのかみちかしげ:1645-1716)の屋敷内に鎮座した(「近鎮」は「ちかやす」とも読む)。

近鎮は豊後府内藩(ぶんごふないはん:大分県[22200石])の初代藩主・松平忠昭(1617-1693)の次男で、延宝4年(1676年)に二代藩主となった長男近陣(ちかのぶ:1638-1720)より1500石を分与されている。近鎮の一族は三河加茂郡の大給(おぎゅう:現・愛知県豊田市)を本拠とした戦国武将・松平乗元(のりもと:1443-1537)の子孫であったことから、特に「大給松平」ともいわれた(講談社 『日本諸家系図人名辞典』参照)。


江戸後期の九段下周辺(天保年間 『江戸名所図会』:が世継稲荷)

(3)然るに1697年(元禄10年)の大火で、同地周辺は町家となったことから翌1698年(元禄11年)に社殿を再建し、世継稲荷を飯田町住人たちの鎮守神とした(この火災で飯田町の武家屋敷・町家等全部焼けたので町民は築地に替地を賜りこれを南飯田町とし、当社の方は元飯田町とされた)。さらに1730年(享保15年)徳川御三卿田安家が九段坂上の田安門内に居館すると、田安家の鎮守神としても崇敬された。


戦災焼失前の世継稲荷社殿(昭和初期頃撮影)

(4)江戸中期になると当社は毎月一日と六日を縁日として100店近い露店で賑わい、一六稲荷とも称された。また毎年二月初午の日には地元の俳諧が集まって「飯田町世継稲荷奉灯句合」と題する大がかりな句合(くあわせ)が行われ、当時飯田町中坂下に居住していた滝沢馬琴(1767-1848年)による直筆の絵画等も納められた。さらに文久2年(1862年)には14代将軍家茂の正妻 ・和宮(1846-1877年)も子宝を願い当社を参詣。

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(5)当時の社殿は壮麗で、その天井には光琳派の花鳥絵をはじめ日本画の大家 ・椿椿山(1801-1854年)の筆による雲龍が描かれ江戸名所の一つに数えられていたが、1945年(昭和20年)3月戦災により社殿社宝等全焼。当時当社に常駐の山本岸太郎氏は御神体を守るため犠牲となり社殿と共に焼死した(1955年、当時の総理大臣鳩山一郎氏協賛のもと世継稲荷敷地内に慰霊碑が建てられている)。


終戦直後の九段下周辺(が世継稲荷)

(6)その後1954年(昭和29年)に築土神社が当社敷地内に遷座するに伴い世継稲荷社殿を再建。さらに1994年(平成6年)5月築土神社社殿の老朽化に伴う改築の一環として世継稲荷社殿も改築された。社殿左脇には今も神木として橙(ダイダイ)の木が植えられており、子宝や後継者を願う人々に親しまれている。

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