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椿椿山筆「雲龍」(築土神社旧蔵)
江戸中期の文人画家 ・椿椿山(つばきちんざん:1801-1854)の筆による「雲龍」。かつて世継稲荷(築土神社末社)の拝殿天井に描かれていたものであるが、昭和20年戦災により惜しくも焼失した。社伝によれば椿山の世継稲荷に対する信仰は深く、毎年二月の初午には欠かさず訪れたという。 |
椿椿山肖像(人見淇堂画/明治13年『椿山画譜(上)』より)
椿山は享和元年(1801年)幕府槍組同心の子として江戸に生まれた。名は弼。幼くして父を失い、父と同じく幕府槍組同心を勤めたが辞職し画業に励む。画ははじめ谷文晁門下の金子金陵に学び、のち渡辺崋山に師事。忠義に篤い人柄で崋山に深く信頼され、崋山の入牢の際にはその救済に尽力し、華山没後は献身的に遺族の世話をしたことでも知られる。とりわけ花鳥図を得意とした。嘉永7年(1854年)没。 |
関連ページ ↓ 【世継稲荷(田安稲荷)】
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