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神棚(かみだな)
神棚(かみだな)とは、会社や家庭の中に設けられ、崇敬する神社の分霊や御札を祀る拝礼施設をいいます。その起源は、中世(平安時代末以降)の伊勢神宮信仰により、神霊を勧請したのが始まりとわれますが、一般庶民に広く普及したのは江戸時代中期頃といわれています(『神道事典』弘文堂)。
多くは茶の間など家族がよく集まる場所に設けられますが、座敷など接客用の部屋に作る場合もあります。神棚は、必ず辰巳(たつみ)の方角、すなわち東向きか南向きに設置し、かつ、大人の目線より高い位置になるようにします。
神棚を設置したら小さい社(やしろ)を置き、そこに御札(おふだ)を納め、手前に神鏡(しんきょう)、榊(さかき)、燈籠(とうろう)、そして神饌(しんせん)を供えます。さらに神棚の最上部には注連縄(しめなわ)を張り、そこに紙垂(しで)を4枚はさみ込みます。 |
御札の納め方
一社造りの場合には、一番先頭に「天照皇大神宮」、その後ろに、「築土神社(氏神)」、「その他の神社(崇敬神社)」の順に御札を重ねて納めます。三社造りの場合には、神棚に向かって中央に「天照皇大神宮」、右側に「築土神社(氏神)」、左側に「その他の神社(崇敬神社)」を並べて納めます。
なお、竃(かまど)の御札(いわゆる荒神札)は、「火除け」の意味で、台所や給湯室など火気のある場所に、別に「荒神棚(こうじんだな)」を設けて納めるのが一般的ですが、神棚に一緒に納めてしまう場合もあります。 |
| 神饌の配置
神饌(しんせん)の供え方(配置)には、いくつかありますが、左図はそのうち一般的によく行われている配置方法の一つです。一番奥の中央に米、両脇にお酒、その手前の左に水、右に塩を供えます。
これらの神饌は、左図のように、「三方(さんぼう)」と呼ばれる木の台の上に乗せて供えるのが正式な形ですが、一般家庭では必ずしも「三方」を用いる必要はありません。 |
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注連縄の張り方 注連縄(しめなわ)とは、そこが神聖な場所であることを示すための標識として張られる縄のことで、「締縄」「標縄」などととも表記されます(『神道事典』弘文堂)。
注連縄には、太さが一定の普通の注連縄の他に、「大根じめ」や「ごぼうじめ」という種類がありますが(左図参照)、一般的に、神棚には「大根じめ」や「ごぼうじめ」を用いることが多く、太い方を神棚に向かって右にして張り付ます。
なお、注連縄には「紙垂(しで)」と呼ばれる紙片を挟み込みます。「紙垂」は「四手」とも表記し、その折り方には伊勢流、白川流、吉田流などがあります。
余談ですが、相撲の横綱も、土俵入りの際、紙垂の付いた注連縄をまわしの上につけています。 |
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