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 日本武尊(国芳筆、築土神社蔵)
かつて築土神社境内には、「大鳥神社」という末社があり、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀っていた。大鳥神社は、昭和20年戦災で焼失後昭和29年に一旦は再建されたが、1992年(平成4年)5月に再び取り壊され、以後は再建されることなく廃絶された。
日本武尊は西暦72年(景行2年)第十二代影行(けいこう)天皇の第二皇子として生まれた。110年(影行40年)、父である影行天皇より東国征討を命じられ、「草薙(くさなぎ)の剣」を携え東国へ向かう。途中、相模国(現 ・神奈川県)で賊に遭い、草原に誘い込まれて周りを炎で囲まれるも、この「草薙の剣」で草をなぎ払って窮地を脱する。生涯を戦に明け暮れた日本武尊は113年(景行43年)、伊勢能褒野(現 ・三重県鈴鹿郡)で病により命を落とす。なお、「ヤマトタケルノミコト」は、『日本書紀』(720年に完成した全30巻の我が国最古の勅撰の正史)では「日本武尊」と表記されるが、『古事記』(712年に完成した全3巻の我が国最古の書物)では「倭建命」と表記されている。 |
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